「『やまと豚』を引き立てる、綿実油との新たな挑戦」

14  とんかつ やまと【後編】

日本を代表する銘柄豚「やまと豚」を生産する、株式会社フリーデン。その「安心・安全・おいしい」豚肉を存分に味わえるのが、直営店の『とんかつ やまと』です。前編に続き、後編では、美味しさの要となる揚げ油・綿実油との関係性に迫ります。

おすすめのロースやヒレに加え、名物の骨付きロース「やまと豚 まさかりとんかつ」も人気のひと皿。骨まわりの旨みまで堪能できる、ジューシーで満足感の高い逸品だ。

ギリギリを見極める、火入れの技。

厚みのあるとんかつをひと口。サクッと軽やかな衣の奥から、やわらかくも弾力を残したジューシーな肉の旨みがあふれ出す。その幸福感は、どこから生まれるのだろう。

「揚げすぎず、若すぎず。ベストな火入れを常に意識しています」と店長の木村さん。現在とんかつの主流となっている低温調理では、油は静かで大きな音を立てないという。「なるべく豚肉に負担をかけず、きちんと火が入るギリギリを狙う。その見極めが難しいんです」。ポイントとなるのは、細かく静かな泡。絶妙なタイミングで引き上げ、網で油を切りながら余熱でじんわり火を通す。すると、うっすらピンクを帯びた美しい断面が現れる。「また食べたい」と思わせる味の裏には、「やまと豚」の特性に加え、この緻密な火入れがある。

香りを変えた、綿実油との出会い。

「現状に満足せず、常に上を目指したい」。そう語る木村さんが出会ったのが、綿実油だった。「揚げた瞬間の香りが、まったく違いました」という驚きが、揚げ油の切り替えを決断させる。
油の違いは、とんかつの質そのものを底上げすると実感したという。「初めて使ったとき、これはいける!と思いました。うちの『やまと豚』と相性がいい。揚がりも油っぽくならないですし、仕上がりが全然違うんです」 甘みと香ばしさが際立ち、肉の旨みを引き出す綿実油は、さらに「油の持ちがよく、交換頻度も変わった」という思わぬ利点もあった。
味だけでなく厨房環境にも好影響をもたらし、『とんかつ やまと』の品質は一段と高まった。

「やまと豚」に最適な専用油を目指して。

とんかつはシンプルだからこそ奥深く、素材の良し悪しが味を大きく左右する料理。綿実油へ切り替えたことで、揚げ油の影響の大きさを改めて感じた木村さんは、綿実油を製造する岡村製油とタッグを組み、「やまと豚」に最適な専用油の開発に挑んでいる。これは双方にとって初の試みだ。

目指すのは、豚肉の旨みと油のコクを調和させること。精製状態を微調整しながら「固まりやすい部分を解消したい」という木村さんのオーダーへの改良を重ね、色や酸価、粘度、重金属、臭いなどのデータを分析。フライ専用綿実油としての完成度を高めている。「そのままでも十分美味しい油ですが、このチャレンジでもう一段上を狙いたいと思っています」

お客さまとともに作りあげる、“唯一無二のとんかつ屋”。

木村さんは勉強のため、休日にはとんかつ店を食べ歩く。「本当に美味しい店は、一つひとつに明確なこだわりがあります。それに触れると、自分の勉強不足や、これまでのやり方だけでは通用しないと感じるんです」

そこでまずは、油とパン粉を見直した。「香ばしさが増した」「あっさりしてグレードが上がった」という嬉しい声が届く一方で、さらなる進化にはお客さまの意見が欠かせないという。
「自分たちだけの感覚だけでは偏った料理になってしまう。良いご意見も厳しいご意見も含め、お客さまにはぜひご意見をいただきたいですね。皆さまに喜んでいただける唯一無二の店になるためには、お客さまと一緒に作りあげていきたくて。母体であるフリーデンの思いも反映させながら、店として何ができるのかを常に模索しています」。その姿勢こそが、唯一無二への道につながっているようだ。

「やまと豚」を、全国へ、そして世界へ。

板前だった母の背中を見て育った木村さんは、その影響を受け、自然と料理の道へ進んだ。フリーデン運営の店舗でも、とんかつにとどまらず幅広い料理で腕を磨いてきた。その経験からも、綿実油を前菜などで試し、「香りが良くあっさりしているので、豆腐やマリネ、カルパッチョなど、いろんな料理にも合うと思います」と可能性を感じたという。

かつて他店舗を整理せざるを得なかった悔しさも胸に残る。「だからこそ、もっとフリーデンの『やまと豚』やそのとんかつを広めて、多くのお客さまに味わっていただきたい思いがあります。若い後輩たちにはここを学びの場にして独立を後押しし、国内はもちろん海外にも『とんかつ やまと』を増やしていきたいですね」。その想いとともに、『とんかつ やまと』の未来は、まだまだ広がっていきそうだ。

とんかつ やまと

やまと豚の生産会社であるフリーデン直営のとんかつ店として、2016年にオープン。国内外で高い評価を得ている「やまと豚」を存分に味わえる一軒として、注目を集めてきた。
店長の木村さんが「すべてにもっとこだわりたい」と語るとおり、パン粉や揚げ油、ソースに至るまで一つひとつを丁寧に吟味。妥協なき姿勢で、理想のとんかつを追い求めている。
やまと豚の三ツ星獲得を記念したキャンペーンや、竹炭を使った黒いとんかつなど、発想の光る期間限定メニューも展開。積み重ねたこだわりが、ひと味違う美味しさを生み出している。

とんかつ やまと ららぽーと湘南平塚店

住所:神奈川県平塚市天沼10-1
ららぽーと湘南平塚1F 湘南Kitchen Street
電話番号:0463-86-6211
営業時間:
11:00〜21:00(土曜日のみ22:00まで)
平日ランチタイム 11:00〜15:00
※ららぽーと湘南平塚の営業時間に準ずる
定休日:ららぽーと湘南平塚に準ずる
席数: 56席(カウンター10席、テーブル46席)
ホームページ:https://www.tonkatsu-yamato.jp/
Instagram  : https://www.instagram.com/yamato_hiratsuka/