
揚げたての天ぷらって、最高においしいですよね。外はサクッ、中はふっくらジューシー。食卓にあるだけで、なんだか特別な日になります。でも、「いざ家で作ってみると、衣がベチャッとして重たくなっちゃう…」なんて経験、ありませんか?
天ぷらは、実はとっても科学的な料理。難しそうに見えますが、ポイントさえ押さえれば、誰でもお家でカラッとおいしい天ぷらを揚げることができるんですよ。
今回は、いつもの天ぷらが劇的に変わる、「3つのシンプルなコツ」をご紹介します。これでもう、天ぷらは「お店で食べるもの」なんて言わせません!
コツその1|衣作りは「冷たく」「混ぜすぎない」が合言葉!
天ぷらのおいしさを左右する一番のキモは、なんといっても「衣」。ここで失敗しないための合言葉は「冷たく、そして混ぜすぎないこと」です。
なぜ「冷たい」のがいいの?
小麦粉は、水と合わさって練られると「グルテン」という成分ができます。このグルテンは、パンやうどんのモチモチとしたコシの素になるものですが、天ぷらのサクッとした食感にとっては、実は天敵。グルテンは温度が高いほどできやすくなるので、できるだけ冷たい水を使うことで、グルテンの発生を抑え、軽い食感の衣になるんです。
【ワンポイントアドバイス】
使う直前まで、天ぷら粉(小麦粉)もボウルも冷蔵庫でキーンと冷やしておくのがおすすめです。さらに、水に氷を2〜3個浮かべておくと、作業中も温度が上がりにくく、よりサクッと仕上がりますよ。
なぜ「混ぜすぎない」のがいいの?

これもグルテンを発生させないため。泡立て器でなめらかになるまで混ぜたくなりますが、そこはぐっと我慢!菜箸で粉っぽさが少し残るくらい、ダマが残っている程度にざっくりと混ぜるのが正解です。混ぜすぎないことで、揚げたときに衣の中の水分がうまく蒸発し、あのサクサク感が生まれるんですよ。
コツその2|揚げる前の「ひと手間」で、仕上がりが変わる!
衣の準備ができたら、次は食材(ネタ)です。ここで大切なのが「食材の水分をしっかり拭き取ること」。
魚介や野菜には、意外とたくさんの水分が含まれています。この水分が残ったまま衣をつけて揚げてしまうと、油の中で水分が蒸発して衣がベチャッとなる原因に。油はねもひどくなってしまいます。
揚げる直前に、キッチンペーパーで食材の表面の水分を、優しく、でも丁寧に拭き取ってあげましょう。
【プロはこうしてる!打ち粉のすすめ】
さらにワンランク上を目指すなら、「打ち粉」をしてみてください。衣をつける直前に、食材に薄く小麦粉(分量外)をまぶすひと手間です。
こうすることで、食材の余分な水分を吸ってくれるだけでなく、衣が食材にしっかりとくっつき、揚げている最中にはがれにくくなるという、いいことずくめの効果があるんですよ。

コツその3|油と鍋を制する者は、天ぷらを制す!
さあ、いよいよ揚げる工程です。ここでの主役は「油」。「たっぷりの油で、少しずつ揚げる」のが鉄則です。

一度にたくさんの食材を鍋に入れてしまうと、油の温度が一気に下がってしまいます。油の温度が低いと、衣が油をたくさん吸ってしまい、カラッと揚がらず、油っこい仕上がりになってしまうんです。
食材がゆったりと泳げるくらいたっぷりの油を用意して、一度に揚げるのは鍋の表面積の3分の1くらいまで。焦らず、一つひとつ丁寧に揚げていきましょう。
【鍋選びも重要です】
ご家庭で揚げるなら、フライパンよりも、ある程度深さのある厚手の鍋がおすすめです。厚手の鍋は蓄熱性が高く、食材を入れても温度が下がりにくいので、温度を安定させやすいんですよ。
最後の決め手は「油選び」。天ぷらには綿実油という選択
ここまで3つのコツをお伝えしてきましたが、実はもう一つ、仕上がりを大きく左右する大切なポイントがあります。それは、「どの油を使うか」です。
天ぷらにおすすめしたいのが、何を隠そう「綿実油(めんじつゆ)」。
綿実油は、高温に強く、酸化しにくいのが特長。そして何より「油切れ」がとっても良いんです。油切れが良いと、揚げた後に食材が余分な油を吸わないので、驚くほどカラッと軽く、サクサクの食感に仕上がります。
また、綿実油自体にクセがないので、エビの甘みや、野菜のみずみずしさなど、素材そのものの繊細な風味をまったく邪魔しません。むしろ、そのおいしさをぐっと引き立ててくれる名脇役なんです。
食べた後の、あの胃もたれする感じが少ないのもうれしいポイント。「家で揚げ物をするのはちょっと…」と思っていた方も、綿実油を使ってみると、その軽やかさにきっと驚くはずですよ。
まとめ:3つのコツで、おうち天ぷら名人に!

いかがでしたか?おさらいしましょう。
- 衣は、冷たい水で、混ぜすぎずに作る!
- 食材は、揚げる前にしっかり水分を拭き取る!
- 油は、たっぷりの量で、温度を下げないように少しずつ揚げる!
この3つのコツに加えて、油を「綿実油」に変えてみる。たったこれだけで、あなたのおうち天ぷらは、お店に負けないくらいおいしくなるはずです。
ぜひ、今度の週末にでも、揚げたてのサクサク天ぷらを楽しんでみてくださいね!



