「人の口に入るものだから、投資して使いたい高品質な油」

02  Udama 谷町base 【後編】

うどんに合わせる天ぷらや土曜夜限定で提供するフュージョン料理の油にもこだわりをもつ「Udama 谷町base」。オーナーとシェフのおふたりに、綿実油を選ばれたきっかけや理由、メニューについてなどを伺いました。


通さんが仕上げたうどんに勝さんが揚げた天ぷらをのせて完成するUdama特製の天ぷらうどん

天ぷら専門店で知った綿実油の香ばしさ。

綿実油を知ったきっかけは、オーナーの信川通さん(以下通さん)がある天ぷらの名店で食事したことだった。

通さん「すごく香ばしくていい香りの天ぷらだったので、店主さんに『どこの油を使っていますか』と聞いたところ綿実油と教えてくれたんです。それまで知らなかったので、帰ったらすぐに調べて問い合わせました」。

信川勝さん(以下勝さん)「以前は米油を使っていたのですが、クセがないけど香りもほとんどなかったんです。綿実油で天ぷらを揚げると、とても香ばしく食欲をそそる香りになって。特に甲殻類の香りが良くなり、エビ天の風味が抜群になりました。綿実油は素材の味を生かす料理に合う香りと味だと思います」。

食欲をそそる香りの秘訣は、綿実油と温度の管理。

天ぷらは事前に揚げておくのではなく、注文が通ってから揚げている。エビ、ちくわ、鶏、舞茸、の天ぷら、鶏からあげが乗ったうどん「Udama全のせコンボVer2」は、綿実油ならではの香ばしい天ぷらを堪能できるメニューという。

勝さん「全部バラバラの素材を同じ鍋で揚げるので、油の温度が均一になるよう素材の大きさをそろえてカットし、同時に揚げ上がるよう火の通りが遅いものから入れてタイミングを合わせます。油の量、火加減、揚げる素材の量と粉の溶き加減を調整しながら揚げています」。

料理人が投資する価値がある高品質な油と思う。

綿実油に変えてお客様の反応はどうだったのだろう。

勝さん「お客様が油や素材の良さにその場で気付くことはほとんどないですが、うちで意識せず上質な料理を体験されていると思う。だからお客様が他の外食から戻られたときに『何かが違う』『ほかのお店では物足りない』というお話をしてくれます」。

同店ではこれからも綿実油を使い続けたいと考えている。その理由をお聞きした。

通さん「人の口に入るものだから、綿実油を選びました。原価は押さえたい所だけど、自分の遊びを我慢してでも投資して使いたい、そんな良さがあります。自分たちが満足する素材に巡り合うと、そこからグレードを下げることはできない。それは料理人として自分に嘘をつくことになってしまうので」。

野菜の揚げ浸しやドレッシングにも活用できる油。

天ぷら以外に綿実油を使ったメニューは、夜のワインと合わせるフュージョン料理になる。今回は「豚肩ロース炭火焼きアジアンドレッシング」と「夏野菜の揚げ浸し」を紹介してもらった。

勝さん「豚の肩ロースを炭火でじっくり焼き上げてスライスし、綿実油を使ったドレッシングを合わせました。綿実油は油質がなめらかで高品質だから、そのまま食べても大丈夫。醤油や砂糖、みりん、酒のほか、コチジャンやニンニクを少し合わせて混ぜています」。炭火焼きのお肉に少し甘みのあるアジアンドレッシングが好相性だ。

通さん「揚げ浸しはナスとピーマンを素揚げして、オリジナルのつゆに浸けて冷やした一品。シンプルだけど、綿実油で揚げた香ばしさと宗太鰹の深みのある香りを楽しめます。ご家庭でも綿実油を使って揚げ物や炒め物をしてほしいですね。いつもと何か違うと思いますよ」。

豚肩ロース炭火焼きアジアンドレッシング
夏野菜の揚げ浸し

体にやさしい食事を堪能してください。

ふたりの話を聞いて綿実油の品質の高さや調理のバリエーションの豊かさを感じられた。最後にお客様へのメッセージを伺った。

通さん「世の中は化学調味料や添加物にあふれています。それを良しとするのではなく、しっかり調理されたものを召し上がってほしい。外食だけじゃなくご家庭でも実践してもらって、健康な体で本来の食事を堪能してください」。

勝さん「ペアリングコースは季節に合わせて食材も扱うワインも変わります。うどんとは全く違う世界だけど、イメージ通りの料理ができたときはやりがいがあります。昼のうどんも、夜のコースもぜひ味わいに来てください」。

オーナー 信川 通 さん(左) シェフ 信川 勝 さん(右) 

双子の兄弟。両親が営むうどん屋で子どもの頃はお店を手伝っていた。31歳の頃、兄の信川通さんが弟の勝さんを誘い、2011年2月大阪駅前第3ビルで「極浄うどん うだま」を創業。「両親とは違う独自のスタイルでやっていこう」とすべてふたりで模索し、現在のスタイルに至る。「食べログ うどん WEST 百名店」に2017年から7回選出された(2024年9月現在)。「立地に頼らず自分たちの城でお客様を増やせるか挑戦したい」と2022年9月に谷町四丁目へ移転し「Udama谷町base」としてリニューアル。昼はうどん、土曜夜は完全予約制でペアリングコースを提供。ソムリエの資格をもつ通さんが選ぶワインと勝さんのアイデアが息づくフュージョン料理を楽しめる。

Udama 谷町base

住所:大阪府大阪市中央区北新町3-2 アルベルトビル 1F
電話番号:06-6867-7525
営業時間:
月・水・木・金・日・祝日・祝前日・祝後日/11:00~15:00(L.O. 14:45)
土/11:00~15:00(L.O. 14:45)、19:00~21:30
※昼はうどん店。麺がなくなり次第営業終了 
※夜は完全予約制のワインペアリングコースのみ
定休日: 火曜
席数: 14席(カウンターのみ)
公式アカウント: https://www.instagram.com/udama_official/